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アフターコロナで日本経済を回復させる方法

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ここ最近はコロナ第2波が到来し、経済界はまたその目前の対応に迫られており将来のことを考える余裕もない状況です。言い換えると、日々のコロナ新規感染者数を追いかけてばかりで、今後の日本経済がどうなっていくのかを真剣に考える機会が減っていると感じます。

「日本の今後の経済は大丈夫なの?」

そう疑問を持たれている方に悲報です。

結論から言えば、大丈夫ではありません。笑

2019年10月に消費税が10%に引き上げられ、実質GDPは2019年10~12月期で年率換算で7.1%減でした。これはコロナショックが起きる前にすでに「日本の経済力」が弱っていたことを表しています。
さらに、2020年1~3月期は年率換算で3.4%減でした。内閣府が8月17日発表した4~6月期の実質GDP速報値は、年率換算で27.8%減と過去最大級の落ち込みを記録しています。

コロナショックも恐ろしいですが、コロナによる経済活動自粛前に、日本の経済は成長が止まり衰退の道を歩み始めたばかりだったということが最も恐ろしい緊急事態です。そこにコロナショックというダブルパンチに遭遇しています。こんな弱り切った日本経済が将来的に回復する見込みはないと私は考えています。

もっと言うと、日本では少子高齢化と人口減少が同時に起こっているという世界的に見ても稀な状況にあります。

本当にこのまま行動を変化させなければ、お先真っ暗な状況が待っています。

「じゃあこれから日本はどうしたらいいの?」

そんな疑問を持たれた方は、この記事を読めば日本がこれからどうすればいいのか理解することができます。

「最低賃金の引き上げ」こそが解決策

そこで、今回は我々日本人がそんな酷い状況に生きていることを理解した皆さんに『日本人の勝算』という本を紹介します。

著者であるデービッド・アトキンソン氏は、小西美術工藝社の社長かつアメリカ人でありながら30年間以上日本で仕事と生活をした経験を持ち、客観的に日本の行末を案じています。

そんな著者が、お先真っ暗な日本を劇的に救う方法を述べています。

それが「最低賃金の引き上げ」です。

これからその理由について簡単に説明していきます。

日本の最低賃金が低すぎる

下図は世界の最低賃金ランキングですが、日本の最低賃金は他国と比べてとても低い水準です。

(出典)2018年の各国資料より筆者作成

衝撃なのは、もはや日本の最低賃金がお隣の韓国よりも低いということです。日本国民は豊になってはいないのが良くわかります。

最近ニュースでよく話題になる「年金制度、消費税、国の借金」という日本人が抱える諸問題は、そもそも日本人の所得が低いことに由来しています。にもかかわらず、その所得を最低限保証する最低賃金が安過ぎます。

日本が長らくデフレーション(以下、デフレ)であったことは、この最低賃金が安いことが原因の1つと言えます。

デフレーションとは?

日本がデフレである状況の要因を説明する前に、まずはデフレとは何なのかを簡単に説明します。

デフレとは、世の中のモノやサービスの価格が全体的に継続して下落する現象のことを指します。簡単に言えば、モノの値段が安くなります。
これだけ聞けば、「すごくお得じゃない?」と感じるかと思いますが、そうではありません。モノの値段が安くなれば、そのモノを販売する企業の業績が悪くなります。そうすると、企業はコストの多くを占める人件費を削ります。つまり、みなさんの給料が安くなります。そうなれば、みなさんは節約するためにもっとモノを買わなくなり、モノを販売する企業の業績が悪くなるという「負のスパイラル」に陥ります。

このデフレが約30年間起きていたのが日本です。俗に「失われた30年(=平成時代)」と呼ばれています。

安くて質が良いユニクロやニトリ、吉野家などの商品が多くの日本の消費者に好まれているということが、デフレで物価が上がっていない身近な例だと思います。

デフレ圧力が強い日本

日本の社会構造は他国に比べ特殊であるため、デフレになりやすい傾向にあります。

まずは少子高齢化社会であることがデフレ圧力を増大させます。年金を頼りに生活している65歳以上のおじいちゃんやおばあちゃんは、働かない限り収入が年金だけと確定しているため、高額な買い物ができるはずもなく、消費力は若者に比べ圧倒的に低くなります。さらに高齢者は資産を多く持っているが収入が少ないため、物価が下がるデフレを好む傾向にあります。その方が安くモノを買えるからです。

さらに、高齢化が進むとモノを買うより介護などのサービスの需要が高くなる傾向にあり、サービス産業など労働する人を多く必要とする生産性の低い仕事が増えてしまいます(ロボットなどで代替するなど自動化することが難しい分野)。そのような業界では、賃金を上げることは容易ではありません。

そして、日本の人口が減少することにより市場規模が小さくなり、モノが今までより売れなくなってくるため、企業はモノの値段を下げるなどの対応をすることで競争が無駄に激化してしまいます。

さらに、日本の最低賃金は諸外国に比べとてつもなく低い水準にあり、消費力が低くユニクロやニトリなど安い商品が好まれるようになります。

そうすると、企業の低価格戦略によって売上が減り利益が圧迫されることによって、経費の大半を占める人件費が削られるようになります。

このように、企業の生き残りのしわ寄せが労働者に回ってきているのが、日本という国です。なんと悲しい負のスパイラルなのでしょうか、、。

人口減少と少子高齢化が同時進行している世界で前例がない国、日本

少子高齢化と人口減少という問題をよく混同しがちですが、これらの問題は全くの別物です。

「少子高齢化」というのは、生まれてくる子供の数が減り、人口に占める高齢者の割合が増える現象を表します。これは医療の発達している先進国特有の現象です。
その一方で、「人口減少」とは生まれてくる子供の数より亡くなる人の数が多い、もしくは国内居住者が海外に移住する人が転入者より多い現象のことを表します。

世界では人口が減少している国や地域が20か国程存在しますが、カリブ海や東欧の国が多く、その地域では近隣の経済大国であるアメリカや西欧に仕事を求めて移住する傾向があり、人口減少の大きな要因となっています。

しかし、日本はどうでしょうか。日本から海外に移住する人は上記の地域よりは比較的少ないため、単純に出生数が少なく死亡数が多いために人口が減少しています。つまり、少子高齢化と人口減少という大問題が同時に起こっている先進国は、世界を見ても日本だけと言えます。それだけに他国を真似るような対策をしていては根本的な問題解決にはならないと思いませんか?自分たちで今後どうすればいいのかもっと議論するべき由々しき問題です。

これは地球上で誰も経験したこともない問題ですので、誰も答えなんて知りません。我々がしっかりと知識をつけた上で考えていかなくてはいけないことなのです。

日本の生産性が低い原因

先ほど述べたように、企業が日本で生き残るには低価格戦略という付加価値が低い方法が安易に行われている傾向にあります。それは、下記のような社会的構造が原因でもあります。

そのひとつが、小規模企業に勤める人口が多いということです。
小規模企業とは法律上の定義は下図の通りです。業界を問わず、一般的に大企業では生産性が高く、中小企業では低いです。それは物的資本の違いの大きさが要因です。企業規模が大きいほど設備投資の余裕が生まれ、従業員の設備を充実させることができます。これは昨今のリモートワーク化の対応を見れば一目瞭然です。小規模企業では設備投資の余裕がなく、なかなかリモートで働く環境を整えにくいのです。

出典:中小企業白書(2019年)

次に、女性の経済参加度が低いのも日本の歪んだ社会構造です。
日本のように社会保障制度が充実している国では、女性も男性と同様に働き、同じような水準で働く必要があり、男女の同一労働は不可欠です。なぜなら、国民の半分を占める女性が働けば、生産性の計算上、分子が増えGDP拡大への貢献度が増えるからです。
規模の小さい企業では、育休や産休などのフレキシブルな働き方に対応するのが難しいです。つまり、規模の大きい会社が増えれば、女性活躍の場が増え、生産性向上につながります。だからこそ、諸外国では、最大の雇用者である国の仕事をする公務員に占める女性の割合が高い傾向にあります。例えば、イギリスの女性国家公務員比率は54%ですが、日本では18%とかなり低い水準です。

イギリスのエコノミスト誌では、毎年「ガラスの天井指数」というランキングを発表しています。これは「女性の社会進出を妨げる見えない障壁」を指しており、経済協力開発機構(OECD)加盟国29カ国が対象です。男女の高等教育や、労働力率、賃金や育児費用など10項目を加重平均して算出したものです。

出典:https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/50373

あとは研究開発費対GDP比が低い質の低い経営者が多いなどの原因もありますが、一番問題なのは最低賃金が低いということです。
人口が減少している日本のGDPを維持するためには、生産性を向上させることが不可欠です。具体的には日本の労働者の給与を上げることが効果的であり、そうしないと所得税などの税収が減り国は破綻に向かってしまいます。しかし、問題は経営者が自ら進んで賃上げを行うということは、通常ではありえないということです。彼らを動かす政府による工夫が必要です。

日本が行うべき対策

日本人の変わらない力は異常です。これだけの危機に直面していても、自ら変わろうとしないのは普通の人間の感覚では理解できないです。世の中の変化に柔軟に対応していくべきです。

読者の皆さんに気づいてもらいたいことは、日本の労働者は世界一搾取されているということです。というのも、日本の労働者の質は世界的にとても高い評価を得ています。にもかかわらず賃金が低いのは、経営層による搾取と言っても過言ではないです。

そんな日本が行うべき対策は、上記の問題を根本的に解決する方法です。それは、小規模企業を統合し企業数を減らすことで、人口減少という問題に対処することです。そうすれば設備投資の余力が生まれ、女性の雇用を促進し生産性向上が図れます。そして、生産性が向上された分を従業員の給料へ反映することができるでしょう。

もっと詳しく勉強したい方は、こちらの本を読んでみてください。

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